大阪で、納骨・祈祷のお寺

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2015年3月6日

先日、グルメ番組を見ていると、和食のユネスコ無形文化遺産登録に尽力された老舗料亭「菊乃井」主人村田吉弘氏が、「和食の真髄は、だしのうまみであり、かつお節と昆布から取っただしの味は、我々日本人の味覚のDNAに刻まれている」と、語っておられた。

真言宗の坊さんである私は、日本仏教の根本は、葬式、供養などの死者を弔う儀式や先祖に対する感謝の気持ちであり、それは、日本人の信仰心に刻み込まれていると思っている。

現代の日本では、だしを取らないで料理をする家庭も多いし、子どもの好きな料理で挙げられるのは、カレー、ステーキ、ハンバーグ、ラーメンなどの和食以外が多い。だからといって、和食は要らないということにならないのは、誰もが分かることだ。

家に仏壇が無かったり、ごく一部の特殊な寺が高額な戒名料を請求するからといって、「葬式は要らない」などと儀式を軽んじてしまうと、先祖に対する感謝の気持ちは無くなり、日本人が古来から持つ信仰心を捨てることになるのではないか。

村田吉弘氏は、和食文化の衰退に危機感を持っておられ、無形文化遺産登録から、学校給食の見直しなどの行動を起こしておられる。

私も「葬式は要る」ということを、このブログで言い続けていきたいと思う。

 

 

 


2015年2月10日

小生のように在家から出家した者は、檀家さんにとっては興味があるらしく、よく動機とメリットデメリットについて聞かれる。動機については、面倒くさいのでお大師様に導かれたと格好のよいことを答えるが、本当は得度しておけば何処でのたれ死んでも、自己責任だと思っていた事がある。が いざ此の世界に入ると不思議と生きる欲が出てくるのである。人は欲張りに出来ているようである。メリットについては一番には、タバコをやめたことである。まさか修行僧が高野山でタバコを吸う訳にはいかないのでいとも簡単に止めることができた。もう二十年になる。二番には、酒を飲まなくなったことである。車に乗る機会が増えたのでこちらもあっさり止めることができた。恐らく在家のままだと車を運転する事無く一生を終えたかもしれない。こちらも二十年になる。三番は、ギャンブルをしなくなった事だろう。あと早寝早起き、野菜果物、豆腐中心の食生活、大声をだす。かぞえあげればきりが無い。が最大のメリットは多くの方々に出会ったことであろう。人はすべからく例外の人生を歩くのであるがより多くの檀家さんに出会いその生き方の凄さを垣間見た時自分の浅はかな人生をただ恥じるのみである。いい坊さんは檀家さんが育ててくれる。といわれるが、人生の達人である多くの檀家さんと出会い現世でのひと時を共有出来た事を幸せに思う。デメリットは笑う機会が随分と少なくなってしまったような気がする。


2015年1月16日

今年は未年です、未年は我慢の年でもあると言われています、未が頑張ってため込んだ毛が刈り取られるように、今まで溜めてきた物が取られてなくなると言う、ある意味悪いイメージかもしれません。

誰かに取られると考えるより、自分から与えると言うふうに考えを変えると案外腹も立たないのかも?これは仏教で言うところの施し(布施)で有り分け与える心のゆとりでもあります。

今自分自身、そんな心の余裕ないわ~と言う人ほどある意味今年は開運のチャンスではないでしょうか。

開運の方法それは、うまくいってない時こそ、他人の為に何かをすると、自然と自分に帰って来るはずです。

自分が変わると周りも変わる、未来を変えるのはあなたしだいです。

 


2014年11月15日

 十月より月に一度、お寺で写経会が始まりました。般若心経を手本にして上からなぞるやり方で、皆さんだいたい四、五十分で書き上げられます。家庭とはまた違った雰囲気の中で、何かに集中する時を持つ事もまた、日々の生活にアクセントを付けてくれるものなのかもしれません。                               

 さてその写経ですが、昔からお坊さんの修行のひとつとして、行われてきたようです。折角なので、最後に何か解説させていただくのですが、これがなかなかまとまらなくて大変です。何分、仏教の長い歴史を僅か二百六十二文字に凝縮し、簡潔な表現でそのエッセンスを取り出しおり、構成的にもよくまとまっているようですが、余りにも短いだけに、その解釈もさまざまに読み解かれている様です。宗祖空海さんは、密教的に読まれています。

 それは、釈迦が説いた緻密で合理的な世界観をある意味で否定し、さらに発展させ、神秘性を持ち込み、とても有り難いものとして、一般の誰にでも実践できる道として提示したのでした。それは時が経ち、世の中が変化し価値観も多様化した、時代の要請でもあったのでしょう。

 お経といえば般若心経というくらい、我が国ではポピュラーで人気があるようです。この機会に是非、お寺に足を運んでみてください。

 


2014年10月30日

今回は『大一大万大吉』について少しお話をさせて頂きます。

   この『大一大万大吉』とは石田三成が気に入って使ったそうです。意味は「一人が万民のために、万民は一人のために尽くせば天下の人々は幸福(吉)となる」と言う意味がございます。私が個人的に好きな言葉です。石田三成があまりお好きでない方は申し訳ありません。今も大河ドラマで『軍師官兵衛』が放送中ですが石田三成、なかなかいやらしい描き方をしてますね・・・どうしても官兵衛よりなのでいやらしく描かれてしまい少し残念です。石田三成は民を一番に考えていたそうです。ただ本人のイメージがわるいですね。

 ただ今の世の中こういった思想をお持ちの方は少ないのかなと・・・先日も内閣の中でありましたよね、確か・・・・・敢えて申し上げませんが『大一大万大吉』といった思想はあまり見受けられないのかなと・・・・皆さんが皆さんそういうわけではないのですが、やはり悪いことはよく目立つものです。さて皆さんは『大一大万大吉』が出来ていますか?なかなか難しいですが心がけてみてはいかがでしょう?

 小さな事でもいいですから、例えば何気なく道に落ちているゴミを拾ってみたり、または車を運転している時に道を譲ってあげたり。そのような行いが自分にもよい形として帰ってくるはずです。どうかこのブログをみて皆様も『大一大万大吉』の気持ちを持って日々『陰徳』(隠れたよい行い)を行ってみてください。